ホームページ制作費を値切ってなぜ失敗する?
形のないもの(ホームページ制作)に大金は払えないと思って失敗するパターン。
ホームページ制作には、材料費がかからないわけだし、料金の内訳の意味もよくわからない。
制作会社によっても料金はマチマチだし、「どうせ、知らないと思って料金を上乗せしているんだろう」と思ってしまうものです。
そこで、制作会社の営業を捉まえて、値切れるだけ値切ったりするわけです。営業も仕事を取るのに必死ですから、しようが無く承諾して制作にまわします。
しかし、値切った代償は、ことの他、大きなものになることが多いのです。
システムでは、多くの不具合が出る、ホームページ内での誤植やリンクミスが目立つ、デザインの質も良くない、何より表現したいことが表現できていないなど多くの問題が発生します。
特に表に出ない部分の手抜きは致命的です。
手抜き工事は誰が指示する?
職人は、自分の技術を生かして良いものを作ろうと思います。
しかし現場監督や経営者はなるべく経費を抑え、予算内で収まるようにコントロールしようとします。
つまり、値切られた分をどこでつじつま合わせをするのかを考えます。値引きがあまりに大きな額だった場合、手抜き工事でもいいから、見た目さえそれなりに出来ていれば良いということになってしまうわけです。
完成品のどこが欠陥か
見た目は、立派にできた店舗も、いざ使い始めると、使い勝手が悪い、臭いがする、傾いてきた・・・など様々な問題が出始めます。
建物は、表面がどんなに立派に見えても、構造がしっかりしていなくては、後々、大変なことになります。
これは、ホームページにおいても同じことが言えます。
ホームページは、見えている部分以上に表面に見えない裏側の構造やコンセプト設計が重要なのです。
値切るポイントで変わるリスク
制作会社の見積もりは、それなりに理由があって出来上がっています。(そうじゃない会社もありますが)
それを、むやみに値切ると何かを犠牲にせざるをえません。
1.見積もりの項目を削る
必要のないものならそれでもいいでしょう。しかし意味もわからず闇雲に削ってしまうと、それが後から重要な意味を持つ場合もあります。
2.企画やディレクション料を値切る
これは、営業やディレクターのモチベーションを下げることになるので、根本的な欠陥(コンセプトや構造が曖昧、SEOがまったくできないなど)を生む可能性があります。
3.制作費を値切る
制作側への負担が増える(他の会社の仕事と同時進行など)ため、細かい部分(ページのタグ構造、ユーザビリティリンク構造など)の質の低下やミスを生む可能性が高くなります。
4.システム費を値切る
システムは、素人が思うほど簡単ではないため、その部分を蔑ろにすると、柔軟性がない(変更がきかない)、エラーが出やすい、セキュリティが甘い・・・など大きな問題に発展する可能性があります。
値切ることで失うもの
上記でもわかるように値切るポイントやどのくらい値切るかによっても、リスクは大きく変わります。
最悪の場合、ほとんど機能しないホームページが出来上がってしまいます。
その上、完成後の変更には、また大きな予算を組まなくてはいけなくなり、結局安くはならなかったということになります。
「今回だけ」のうそ
クライアントの中には、「今回だけ、なんとか安くしてもらえないだろうか」ということを言ってくるところがあります。
特に初めての取引のところに多いのがこのパターンです。
こちらとしても、今後の取引につながればと思って、特別に安くすることもありますが、そういう会社に限って2度目に依頼が来ることは皆無です。
そのような会社は、安く上げることが目的で、内容は二の次だからです。一度、安い料金でできたものを、次の機会にわざわざそれより高い料金で頼もうとは思わないのです。
負のスパイラル
これは、筆者のような制作側にも問題があるわけですが、安く受けてしまうと、それがそのクライアントの標準価格になってしまうのです。
そして、次の機会には、より安いところを探して動いてしまう。世の中には、利益度外視で受けるところもけっこうありますから(経験値を上げるためやステップアップのためなど)、それでまた、標準価格が下がっていきます。
当然、利益の上がらない仕事は質が落ちます。そうして、料金が下がることで質が落ち、質が落ちることでホームページが有効活用されなくなるという負のスパイラルに陥っているのが、今の中小企業のホームページです。
必要な項目を明確に
ホームページ制作費を値切るのではなく、必要な項目を明確にして適切な注文を出すことが大切です。
そのためには、ホームページで何ができるのか、また何をするべきなのかを知らなければいけません。そのための勉強も欠かさないことです。
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