CMS(コンテンツマネージメントシステム)を導入してなぜ失敗する?
CMSはホームページを作る魔法の杖と思って失敗するパターン。
現在では、多くの企業がCMSを導入し、ホームページ(Webサイト)の運営を行っています。
その一番のメリットは、ホームページ構築のための難しい技術を知らなくても、誰でも簡単に更新作業を行うことが出来ることです。
しかし、そのことだけに捕らわれてCMSを導入してしまうと痛い目にあいます。
特に”簡単に更新できる”と言う部分を”簡単にコンテンツが出来る”と勘違いしてしまうことが多いのです。
つまり、もっと言えば自動的にホームページがどんどん出来上がっていく魔法のツールのように思ってしまっています。
もちろん、そんなツールはありません。
そのため、CMS導入に大きな出費をしたにもかかわらず、ホームページは相変わらずという状態になってしまうのです。
寿司屋の宣伝文句が「最新のベルトコンベア導入!」だったら?
寿司屋の宣伝として、「最新のベルトコンベア導入!」では、誰も行きたいとはおもわないでしょう。
どんなに最新型のベルトコンベアを導入したとしても、それでお客さんは呼べないのです。(来たとしても同業者が視察に来るとか、コンベア業者がチェックに来るとか)
寿司屋の本質は寿司ネタ
視点を変えて、「ネタの鮮度を守るため、最新設備導入」なら、どうでしょう。
大切なのは、寿司のネタ・鮮度・商品開発などの寿司屋としての商売の本質です。
寿司屋としての本質である"ネタを最大限に生かす"ためのシステムとして、最新のベルトコンベアを導入したなら、それは意味のあることです。
目的も無しに導入した設備は宝の持ち腐れです。もしかしたら邪魔な存在になってしまうかもしれません。
ホームページにおいても、CMSの導入が目的になってしまってはいけないということです。
「簡単にできる」は「他社と同じ」
ホームページが簡単に出来るという視点で導入したCMSは、システム本体に元々用意されているテンプレートをベースにホームページを構築することになります。
そうすると、上部にヘッダーがあって、左にメニューがあって、右にコンテンツがあり、その表示形式も他の同じCMSを使ったサイトと似たり寄ったりの個性のないものになってしまいます。
コンテンツはどうする?
そのホームページの目的や、設計をしっかり行わないままCMSを導入すると、コンテンツはニュースだけというパターンになります。
しかも、目的がはっきりしていないため、ユーザーにとって意味の無いニュースばかりということも少なくないのです。
それでは、誰も見に来てくれません。
コンテンツの追加は別料金
また、よくあるのが、後からコンテンツを追加したくなったり、全体の構成を変えたくなったりすることです。
例え、見た目がちょっとした変更と思っても、CMSのシステム的に見ると大幅な変更になる場合もあります。
当然、CMS構築を外部に委託している場合には、別料金としてかなりの額が請求され、「こんなはずじゃなかった」ということになってしまいます。
すでに大量のコンテンツを保有するサイト
以前、担当していたホームページで、長年の積み重ねですでに数千ページのコンテンツを抱え、毎月20ページ程度の更新を手動で行っていたサイトがありました。
このご時勢でもかなりの更新費用をいただいていたのですが、ある時、リニューアルの企画が持ち上がりました。
ここで、CMSを導入するかどうか判断しなければいけません。毎月20ページ程度の更新でもCMSにすると、担当者が直接更新できるので、月々の更新費が削減できます。(制作会社としては収入を失いますが)
問題は、今までのコンテンツの扱いです。
数千ページに及ぶコンテンツをすべて手作業でリニューアルした場合の料金、CMSを導入し、すべてをCMSに移行した場合の料金、どちらが安いか、また将来的にどちらにメリットがあるのか。
結局、どちらも莫大な費用が発生し、予算オーバーとなり実現しませんでしたが、いずれは手をつけなければいけないのです。
転ばぬ先の杖
CMSを導入するメリットは、更新作業などの目先のこともさることながら、将来的にコンテンツを流用できるかどうかという視点も重要です。
上記のようなサイトでは、最初からCMSを導入していれば、コンテンツ内容はすべてデータベース化されているため、リニューアル時のコンテンツの流用が楽になります。
また、他のサイトやコンテンツへの流用も簡単にできるようになります。
手作業で作ったページは、リニューアル時には、そのページからまた手作業で内容を取り出さなければいけなくなるので、それだけに大変な作業量が発生してしまうのです。
CMS導入は楽をするためではない
CMSを導入する場合には、無駄なお金を使わないためにも、目的と将来のビジョンを明確にしておくことが大切です。
CMS導入の判断基準としては、ビジョンが明確、更新頻度が高い、サイト内でのリンク構造が複雑などです。
そして、適切なCMS製品の選択と制作(カスタマイズ)する業者の選択を慎重に行うことです。
詳しくは、「成功するホームページ制作」へ
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